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探偵事件簿:
詐欺被害相談事例07

「インターネットの罠」38歳男性

「ライブチャット」に夢中になり、その中の一人の女性と意気投合し、チャットで会話することが日課になっていました。
毎日決まった時間にモニター越しですが彼女の笑顔に会えて、優しい声を聞くことで仕事のストレスも発散されていたんです。

そんなやりとりも2ヶ月を過ぎた頃、彼女から「今度会いませんか?」と誘われました。勿論即OK。翌週末に会うことになりました。
緊張して眠れませんでしたが、彼女を楽しませるプランは完璧。事前に聞いていた趣味や好きな食べ物、行ってみたい所の情報を元にデートプランを作りました。

デート当日、少し遅れてやってきた彼女。毎日モニター越しに会っているのに、数倍可愛いかったです。
今日のプランを伝えると、彼女は嬉しそうに僕の手を握ってくれました。そのまま手をつないでのデート。緊張のあまり、変な汗をかいてしまいました。
充実のデート、彼女が終電の時間になってしまいました。泊まっていく?なんて言えるわけが無く、彼女を駅まで送りました。
どことなく元気がない彼女、ふと別れ際に「好きです」って言ってくれたんです。すぐに理解出来ずに、ぼーっと彼女を見送ってしまいました。帰りに何を話したか覚えてません。

帰宅して、すぐPCの電源を入れました。彼女もログインしていました。
帰り際に伝えられなかったこと、僕もあなたが大好きです。今日の思い出話の中にさり気なく伝えました。彼女は喜んでくれました。
その後3ヶ月間、彼女とはモニター越しの交際を続けていました。優しさを感じる彼女の笑顔に癒される日々。彼女にはなにひとつ隠し事することなく話しました。
あとで気づいたんですが、彼女はさり気なく上手に色々聞いてくるんですよね。僕の月収から貯金残高、最近デイトレードにはまってて、結構儲かっていることまで。

お互いが好きだって伝え合って早4ヶ月。彼女から相談が。「今月、仕事がうまくいってなくて。ノルマ達成までほど遠いんだ・・・」辛そうな彼女を放っておけるわけもなく、彼女のノルマ達成に一役買うことにしました。
彼女の職場は宝石屋。どうせ買った宝石を彼女にプレゼントすればいいだけだし、一石二鳥。そう考えていた僕は彼女の言うがまま郵送で届いたローンの書類にサイン。
彼女には「自分の欲しい宝石にすればいいよ」彼女は喜んでくれました。
彼女は指輪を選んだようで、モニター越しに嬉しそうに指輪を見せてくれました。
でも、そんな付き合いも長くは続かず、結局彼女とは1回会っただけで別れることに。思い出を作れた分、彼女には感謝していました。しかも彼女は「指輪はあなたが払っているものだからちゃんと返すね」と郵送されてきました。

宝石の価値も判らないので質屋で鑑定してもらうと、「おにいちゃん、これクズダイヤだよ。売れないよ、こんなの」とのこと。僕が組んだローンは毎月5万円の60回払い。
彼女の手がかりはローン契約書の郵送先。直接行ってみましたが、宝石屋があるどころか貸しポスト。
彼女との儚い思い出はいまだ払い続けるローンと共に思い出されます。

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