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探偵事件簿:
企業信用調査相談例05

「代理店の本性」51歳女性

夫の会社は立ち上げて7年ほどのハウスクリーニングを主にした何でも屋です。
一時期は社員も10名程度いたのですが、広範囲に動けない事と社員の独立心が強かったため、2年ほど前からチェーン店化をし隣接県までエリアを広げていきました。
チェーン店になるには1年ほど本社で研修し、夫が認めれば必要なものを会社で揃えてやるのです。ロイヤリティは月3%程度でしたが、殆どを広告費などに使うため手元に残る事はありませんでした。
それでも夫は自分から巣立っていく社員を見るのが楽しみで、常に各店を気にかけていました。恐らく会社を立ち上げた頃の自分と重ねて見ていたのではないでしょうか。

チェーン店も15店目となった頃でしょうか、なかなか若い社員が長続きしないようになりました。夫も最近の若い者は根性が足りないとよく嘆いていました。
そんな中唯一夫の認めている社員がいましたH田というお世辞にも若いとはいえない30代半ばの社員でした。H田は温厚で人柄もよさそうでしたが、私は女の勘とでもいいますか、何故か生理的に受け付けられませんでした。
H田も主人の厳しい研修に耐え、いよいよ独立となりました。夫も久しぶりの独立と言う事で、いつも以上の力の入れようでした。

それから半年も過ぎたころでょうか、別のチェーン店より相談があったのです。内容はそのお店の営業エリアに同業者が入り込み経営が厳しいと言う事でした。
営業地域は被らない様に展開してきましたので、今まで無かった問題でした。夫は早速チェーン店の代表者を集めて会議をすることにしました。
そして、同業者に対抗するために新たなサービスと大規模なキャンペーンを行う事にしたのです。夫は知り合いの印刷屋さんに各店舗のチラシを注文しました。

ところが、そのチラシが出来上がる直前に驚くべき事がおきました。なんとこちらで計画していた内容と殆ど同じ内容のチラシがポストに投函されたのです。
チラシは撒いたものの2番煎じでは反響も期待できず、計画は大失敗となりました。その後も様々な計画を立てるのですが、ことごとく失敗に終わり、ついには廃業に追い込まれる店舗まで出てきたのです。
そんな事が続き、優しかった主人も何かにつけて家族にあたり散らすようになり、私は子供が夏休みの間、実家に帰ることにしました。

実家に帰り地元の友人のお宅にお邪魔する事になり、たまたま友人のご主人と話しをしていると、仕事の話になりました。友人のご主人は信金の本店勤務でどうやら件の同業者をよく知っているらしいのです。
友人のご主人から驚愕の真実を聞くことになるとは夢にも思いませんでした。なんとその同業者は表向きは別人が経営しているそうですが実質的な経営者はH田だったのです。
事あるごとに立てた計画は、全てH田の手によって潰されていたのです。私は子供を実家に預け急いで我が家に戻り、その事を伝えると、夫は着の身着のままH田のところへ向かいました。
H田とは会えなかったそうですが、電話で話す事はできたらしく「危機管理ができない方が悪いと」言われたそうです。夫は現在でも再起に奮闘していますが、まだまだ時間がかかりそうです。

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